求人ページって、いいことしか書いてないですよね。
なので先に、うちの都合の悪いところから書きます。

給料も、飛び抜けて高くはありません。会社の名前を言って、知っている人もほとんどいません。
うちは、そういう会社です。そのうえで読んでもらえたら、と思っています。
高校を出て入ってきた子でした。辞めるとき、理由を聞いたら、こう言われました。
「何作ってるか、分からんかったんですよ」
毎日、決められた寸法どおりに金属を削る。削ったものは箱に入れて出荷される。それがどこへ行って、何になるのか、誰も教えていませんでした。
「若い子が辞めたのは、こっちが何も説明してこなかったからです。あの子は悪くない」 代表取締役 / 3代目
だからこのページでは、うちが何を作っているのかを説明します。それが4年遅れの、うちの反省です。
建設機械のアームやショベルを動かす、油の流れを制御する部品です。あの巨大な腕が、思ったとおりの位置でぴたりと止まる。あれは中でこの部品が油をせき止めているからです。
工場で溶接や組み立てをしているロボットアーム。あの関節の中に入っています。ロボットが同じ場所に何万回も正確に戻ってこられるのは、この中身がずれないからです。

どちらも、外からは絶対に見えません。製品として店に並ぶこともありません。
ただ、動いています。日本中の工事現場と、工場の中で。
髪の毛の直径の、およそ15分の1です。この数字が何を意味するかというと、手で触っても分からないズレで、部品は使えなくなるということです。目でも見えません。測定機を通して初めて分かります。
だから削る前に、機械の温度が上がりきるのを待ちます。朝一番の1個目は、まだ精度が出ません。室温が3℃違えば、金属は伸びます。
そういうことを、全部気にしながら削っています。月におよそ12,000個。1ロットは50個から300個。同じものを大量に作るのではなく、少しずつ、違うものを作り続けています。
自慢できることが、ひとつだけあります。
創業から40年以上、不良品でお客さんのラインを止めたことが一度もありません。
部品が1つ止まると、その先の組立ラインが止まります。ラインが止まると、1時間で数百万円が飛びます。だから納品の前は、全数を測ります。抜き取りではなく、全数です。
面倒です。効率も悪いです。それでもやめていません。

このあたりが主力です。ただ、いちばん古い機械は1998年製で、いまだに現役です。
新しい機械のほうが速い。でも、この古いほうでしか出ない仕上がりがあります。理由は正直、はっきりしません。癖を知っている人間が回すと、なぜか良いものが出る。そういう機械が、まだ工場にあります。
3年前、機械の稼働状況をデータで見える化する仕組みを入れました。半年で誰も見なくなりました。
現場が使いこなせなかったんです。導入すれば良くなると思っていた側の見通しが甘かった。今はまた入れ直しを検討しています。
うちは、そういう失敗もします。
いま、うちで最年少の社員です。27歳。地元の工業高校の機械科を出て、そのまま入ってきました。志望動機を聞くと、こう言います。
「家から近かったからです。それだけです」
正直な子です。
本人いわく、辞めようと思っていたそうです。
「何作ってるか分からんかったんですよ、最初。図面のとおりに削るだけで。楽しくはなかったです」
4年前に辞めた22歳と、まったく同じことを言っています。
ある日、社長が動画を見せました。自動車工場で、ロボットアームが溶接をしている映像です。そのロボットの関節に入っているのが、鈴木が毎日削っていた部品でした。
「え、これ俺のやつっすか、って聞いたのを覚えてます。動いてるの初めて見たので」
それから、測定の数字を気にするようになったそうです。
5軸マシニングのプログラムを任されています。うちで5軸を触れるのは3人だけで、そのうち1人が鈴木です。
「まだ全然、上の人には追いつかないですけど。あと10年やったら分かるようになるって言われてます」
車はハスラー。週末はだいたいサウナにいます。
この7名が、いちばん難しい仕事をしている人たちです。図面を見て、材料の癖を読んで、機械の設定を決める。マニュアルには書けない部分を持っている人たちです。
技術を渡すには、時間がかかります。5年では正直、足りません。
だから今、募集しています。人手が足りないからではなく、渡す時間がもう残っていないからです。
急いでいます。
| 職種 | 精密切削加工(マシニングオペレーター) |
|---|---|
| 雇用形態 | 正社員 |
| 経験 | 未経験可。工業高校卒歓迎、学歴は問いません |
| 勤務地 | 静岡県〇〇市(マイカー通勤可・駐車場あり) |
| 勤務時間 | 8:00〜17:00(休憩60分) |
| 残業 | 月平均18時間 |
| 休日 | 日曜・祝日、第1第3第4土曜、夏季・年末年始 |
| 給与 | 月給21万〜28万円(経験・年齢を考慮) |
| 賞与 | 年2回(昨年度実績 計3.8ヶ月) |
| 待遇 | 社会保険完備、資格取得支援、制服貸与、昼食補助150円 |
| 定年 | 60歳(再雇用制度あり・現在5名が勤務) |
未経験の場合、最初の3ヶ月は先輩について材料の準備と測定から始めます。機械を1人で回すまでには、だいたい1年かかります。
3代目です。51歳になりました。大学を出たあと、東京の商社に6年いました。戻ってくるつもりは正直なかったです。
4年前、若い子が辞めたとき、社員の前で頭を下げました。うちは説明をしてこなかった。作っているものの意味を、誰にも伝えてこなかった。それを本人に言われて、返す言葉がありませんでした。
このページを作ったのは、その反省からです。

うちは有名じゃないです。給料も飛び抜けて高くはない。工場は夏暑いし、土曜も月1回出てもらいます。
ただ、40年間、止めたことはありません。続けてきた人間が、まだここにいます。あと5年で、その人たちはいなくなります。
まあ、やってみりゃ分かる、としか言えないんですけど。
一度、見に来てください。
応募じゃなくて構いません。
工場見学だけで大丈夫です。
見てから決めてもらったほうが、お互いにいいと思っています。実際に機械が動いているところを見て、うるさいな、暑いな、と思ったらそれで結構です。
所要時間は40分ほど。作業着は貸します。平日でも土曜でも対応します。
